about

焼け残った記憶を拾い、花を手向け弔う。その過程で生まれでたある一つの結論、ある一つの完成のかたちが、絵画だったり、物語だったりする。2017.12.18 マツウラミオ

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体貌

ニューヨークから帰国したヨシツグくんが遥々うちへ泊まりに来るのは二度目のことである。

「このヒマワリ、まだ咲いとん」

私と、同居人Sと、ヨシツグくんの三人で自宅から駅へ向かう途中、道路脇の家の玄関から葉をのぞかせるヒマワリの前でヨシツグくんは足を止めた。鮮やかな黄の花は小振りだが背丈は高く、茎は思いのほか肉厚である。去年の冬に三人でここを通った時分にも咲いていたが、毎日近くを通るうちに見慣れたせいか、これほど主張する花にもかかわらず変化の有無さえ記憶は曖昧で、年中咲く品種なのか、そもそもヒマワリに分類されるものなのかもわからぬまま、ほどなく一年が経とうとしている。

時期過ぎたら、枯れるもんやろ。いつ死ぬん、これ。

シャツ、トートバッグ、スニーカーはいずれも星柄で、全身を白でまとめあげた装いのヨシツグくんが、銀の髪を頓着なく風に吹かせながら可笑しそうに言うのが耳に残った。