about

焼け残った記憶を拾い、花を手向け弔う。その過程で生まれでたある一つの結論、ある一つの完成のかたちが、絵画だったり、物語だったりする。2017.12.18 マツウラミオ

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代入

演出的な陰翳があり、視点がカット割りのように切り替わるので、映画を見ているようだった。タクシーの中で新聞を広げる中年女二人が、なぜか写真付きの大見出しで載った、一般人の婆さんの老衰死の記事を見て「顔見知りだ」と嘆くシーンから始まり、同様の記事を目にした〝物語の中の〟私はそれが近所の婆さんで、彼女によく懐いていた少女のことを思い出す。すると視界は暗転し、私と婆さんとその少女が、古ぼけた安アパートのような空間に立っているのだ。訳もわからぬまま婆さんに追いかけられ、死に物狂いで逃げる。建物へ入ると婆さんは消えるが、外にいるとどこからともなくやってくるし、そんな日々が一週間も続くので私はすっかり窶(やつ)れた。婆さんの知人を訪ねたところ、婆さんが亡き夫の骨を探しているらしいことを知り、同級生の青年と共に爺さんの骨を探し、婆さんの幽霊を鎮めるために試行錯誤するのだった。夢はここでおしまいである。